前回までお砂糖について書きましたが、お砂糖とともにコーヒーに欠かせないものにミルク(牛乳)とクリームがあります。
せっかく美味しいコーヒーを飲むのならクリームにもこだわってみましょう。 |
ミルクやクリームに含まれている「脂肪分」この成分がコーヒーの苦味物質を包み込み、味をまろやかに、風味を豊かに、そして味にコクを与えてくれます。
ミルクとクリームの違いや自分の好みに合うものを見つけるチェックをしてみましょう。
○ミルク(牛乳)
乳牛から搾った生乳を加熱殺菌し何も加えずビンや紙パックなどに充填したものです。
食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」では、以下のように成分規格を定めています。
牛乳の成分規格は無脂乳固形分8.0%以上 乳脂肪分3.0%以上ちなみに加工乳は、無脂肪乳固形分8.0%以上。乳飲料は乳固形分3.0%以上とされています。
今では普通の牛乳のほかに、「成分調整牛乳」や「低脂肪乳」等の牛乳が販売されています。
また、低温殺菌牛乳なども人気があるみたいですね。
当店では秋田産の成分無調整のおいしい牛乳を使用しています。
○クリーム
牛乳から取り出した乳脂肪分のことで、乳化剤などの添加物を一切加えていないもののことです。
「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によれば、乳脂肪18.0%以上のものという規格が定めれれています。
ちなみに植物性脂肪分などを加えたのもは「コンパウンドクリーム」といわれ区別されています。
また、クリームには大きく分けてホイップ用とコーヒー用があります。
コーヒー用としては、乳脂肪分15~30%のものが適してるとされています。
乳脂肪分特有の風味やまろやかさがコーヒーの味や香りと調和してより一層美味しさを引き立たせてくれます。
ただし、入れ過ぎると味がしつこく感じられるので注意が必要です。
※コンパウンドクリーム
前述したとおり乳脂肪に植物性脂肪を合わせたものです。
安定剤や乳化剤、などが加えられています。そのほかに砂糖や香料が加わったものもあります。
乳脂肪率が多いほど風味が良く、植物性脂肪率が多いほど後味があっさりとします。
商品によって配合率が違うので御自分の好みを探すのも面白いですね。
ポーションタイプのコーヒークリームなどはこのタイプになります。
おいしい「クリーム」の条件とは、良い牛乳を原料にして、あまり加熱などをせずに自然に近く乳脂肪本来の風味があり、それでいてクリーミーで脂っぽくなく、コーヒーに入れて飲んだ後味にも脂臭さを感じさせないものが良いとされています。 |
『オイルオフ(コーヒーに入れたときに脂分が分離してコーヒーの表面に浮く現象)や、フェザーリング(クリームの中のたんぱく質がコーヒーの酸と結びついて羽毛のように固まりが表面に浮いてしまう現象)等が起こらない事が原則です』
但し、クリーム自体が美味しくても、コーヒーの味に勝ってしまったり邪魔をしてしまうのでは意味がありません。
また「ミルク」に関してもあまり加熱せず(低温殺菌)に処理したもののほうがミルクフォームにする場合に風味が良く、泡立ちも良いと言われています。
前回も書きましたが、自分が飲むコーヒーに合うクリームやミルクを見つけるところから始めたいですね。
コーヒーとは関係なくなりますが・・・クリームについての余談です。
スーパーなどで売られている動物性乳脂肪分たっぷり(45%)の生クリームがあります。
乳脂肪はたんぱく質の膜に覆われていて、攪拌されることでその膜が壊れます。
たんぱく質の巻くが壊れると脂肪分同士が結合していき、そのまま続けていくと脂肪分と水分に分離されます。
なので、御家庭でペットボトルに生クリームを入れて分離するまで振り続けると自家製のバターが出来上がります。
お好みで塩を加えて自分だけのバター作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?