食後にコーヒーを飲むとぜんそくの発作が起こりにくくなるそうです。
交換神経を緊張させ発作を起こりにくくする。
コーヒーは、一杯飲むだけで、普通はしばらくして爽快な気分になってきます。これは、コーヒーの含まれるカフェインのためです。
カフェインは、自律神経(意志とは、無関係に内臓や血管を支配する神経)の一種である交感神経に働きかけ、これが気分を良くする効果をもたらすのです。ご存知のとおり、カフェインは、興奮作用を持つ物質で、純粋なものは、風邪薬などにも入っています。純粋なカフェインには、交感神経に作用して、風邪による呼吸器の障害を改善し、発汗作用をはじめ、新陳代謝を促進して、早く風邪を治す働きがあります。
こういったカフェインの純粋なもの、つまり薬品ではなく、コーヒーなどのカフェインを含む食品の場合、その効果は、純粋なものの働きではなくて穏やかな効き方をします。このカフェインを含む代表的な飲み物であるコーヒーは、アレルギー性の病気の一つである、ぜんそくの人の気分を楽にして、発作を少なくするなど、予防作用があります。これは、明らかにカフェインの働きによるものであるということができます。
喘息の発作は、交感神経が興奮しているときには、起こり難く、もう一つの自律神経である副交感神経(交感神経と拮抗して働く自律神経の一種)が緊張しているときには、発作がでやすい傾向があるのです。ですから、コーヒーのカフェインによって交感神経を興奮させれば、当然ぜんそくの発作の予防につながるわけです。
例えば、交感神経が興奮していないときに、寒さなどの温度の激変、あるいは、アレルギーなどの元になる物質などが刺激として働いて、副交感神経を緊張させると、ぜんそく発作が起こってくることがあります。こういう場合でも、前もってコーヒーを飲むことによって、発作を食いとめることができます。
ところで、交感神経の働きは、いわゆる”緊張感”ということと大きな関係があります。精神的に緊張している昼間には交感神経が興奮していますから、ぜんそく発作は、起こらないことが多いものです。反対に、夜は、副交感神経のほうが興奮していますから、ぜんそく発作が起こりやすくなります。しかし、夜でも、面白いテレビなどに熱中していると、ぜんそくのことなど忘れていることがあります。この時、たいていは、テレビの刺激で交感神経が興奮していて、これが効果を現しているのです。
大阪薫英女子短期大学教授・・・河野友美著(コーヒー健康法)